ヒトリダチ

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2011年 9月24日(土) 雨 のち 晴れ ③

秋田県北秋田市阿仁打当字仙北渡道上67:マタギ資料館

おばあちゃんに、次の目的地までの近道を教えてもらい、マタギの里と呼ばれる阿仁町の「マタギ資料館」を見学しました。

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動物や自然との共存について考えた時、「マタギ」の生活はとても大切な事を教えてくれると思い、多くのマタギが暮らしていたといわれる阿仁町を訪れました。
温泉施設「マタギの湯」に隣接する「マタギ資料館」には、マタギの自然に対する考え方や具体的な狩猟方法を通して、自然と共存していく精神を伝えるような展示がされていました。

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これは阿仁マタギの秘伝書「山立根本之巻(やまだちこんぽんのまき)」というマタギの許可証のようなものです。これをシカリ(リーダー)が持っていることで、藩境越えて全国で自由に狩猟することを許されたといいます。

マタギが猟をする際、様々な作法の中でこの秘伝書に祈りを捧げるなどにも使われ、精神的な支えでもあったようです。地域やマタギによって、幾つかの秘伝書があります。

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マタギは、春・夏・秋は山菜やキノコを採り、冬になると集団狩猟でクマを始めとした動物を捉え、生活の糧にしていました。木の葉が無く景色が白い冬はクマが見つけやすく、冬眠で鈍くなっているため、危険を最小限に出来たからというのと、必要以上に獲らないことで数を調整していたのではないでしょうか。

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山に入ることを山立(やまだち)といいます。山立の際にも縁起の良い日、悪い日があったり、前日から身を清める作法があったり、山立では「マタギことば」を使い、里でのことばを禁じているなど、様々な決まりごとがあります。ちなみにクマは「イタズ」と呼びます。
その他にも、山の神の怒りに触れないように、オコゼという醜い魚の干し物を携帯したりなど、作法の多さに驚きました。

シカリの命令は絶対服従で、一組3人~10人で狩猟を行います。クマを捕えた時にも儀式を行い、クマの頭を北に向けて塩をふって清めるなど、山や自然に対しての信仰 の深さに厳粛な思いになります。

生きることに対して全身全霊なマタギの姿勢はとても感慨深く、自然の恵みを受けることの重みを考えさせられます。
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by nipponhike | 2011-09-25 10:08 | ■見学

2011年 9月24日(土) 雨 のち 晴れ ②

天然杉。近所のおばあちゃん

駐車場に戻って、来た道を引き返していた途中に、家の畑で作業していたおばあちゃんがいたので、この辺りの森林について聞いてみることにしました。

おばあちゃんは青森の産まれで、50年前にこちらに嫁いで来たそうです。当時のことや今のこと、いろいろお話をしてくれました。

この森では山菜が生えていて、昔は春になると山菜採りに良く出かけて、ゼンマイやキノコなどを沢山採ったそうです。

そして、今僕が走って来た道は、「ガソリンの道」だったようです。ここで言うガソリンとは機関車の事で、ガソリンで動く森林鉄道のことを「ガソリン」「ガソ」と呼んでいました。鉱山や林業が盛んだった時は、いたるところに線路があり、それは住民の移動手段でもあったそうです。おばあちゃんはガソリンに乗って嫁いできました。

クマのことを聞くと、ここ10年くらい前からクマが里へ降りてくるようになって、その原因は山に道をつくり過ぎたためだと言っていました。道路や林道が増えることで、動物の行動範囲や棲処が減ってしまうのです。そして秋田は人工林の問題も大きいと思います。

最近クマが出たか聞くと、「昨日の朝、あの山から降りて来て、川を渡ってあの家の栗を食べてただよ。」と平然と返されて驚きました。大きなオスのクマが、150mくらい先にある家の栗の木に登って、まだ熟していない栗を落として食べて帰ったそうです。でも、クマは明け方と日暮れに動くから、その時だけ気を付ければ大丈夫と言っていました。山に餌が多ければ降りて来ないし、少なければ降りてくる。その年によって違うようです。

その他にも、この辺も10月の中頃になると紅葉がとても綺麗なこと。青森のリンゴでも、弘前(ひろさき)の南にあるリンゴ園が美味しくて、フジリンゴが一番だということ。11月には真赤なリンゴ園が素晴らしいこと。そして、昔は親の言うことが絶対だから、好きな人がいてもその人とは結婚させてもらえなかったことなど、釜を持ったままいろんな事を話してくれました。

その土地に住む人の話は、直接心に届くようで記憶に強く残ります。ありがとうございました。

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秋田県の米といえば「あきたこまち」。その中でも最高のものがこの土地でつくられているそうです。土壌の下の方にある青い粘土層が、米の粘りを出していて、それがおばあちゃんの住むこの土地独特の地質なんだと教えてくれました。
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by nipponhike | 2011-09-25 00:16 | ■日記

2011年 9月24日(土) 雨 のち 晴れ

秋田県山本郡二ツ井町田代:秋田天然杉保護林

秋田県の北部、白神山地の少し南にある内陸部に、秋田杉の天然保護林があるということで行ってきました。ここには「日本一の天然杉」といわれる立派な杉が立っています。

森林の入口に駐車場があり、ゆっくり写真を撮りながらでも40分ほどで周れる道のりなので、誰でも気軽に美しい天然林を楽しむことが出来ます。僕はクマ鈴と、一応クマスプレーを持って歩きました。

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入口から木道が設置され、その横を透き通った小さな川が流れています。道の周りには低い植物が生い茂っていて綺麗です。

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直径が1mを超える杉が平然と立っています。奥に見えるのは標準的な東屋ですが、杉の大きさが伝わるでしょうか。日の光が地面に届き、充分なスペースがあるため、周りにはちゃんと広葉樹も生える環境になっています。

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これが日本一高い天然杉です。高さ58mで、15階建てビルに相当。最大直径は164cm。樹齢は300年くらいと推定されています。こんなに真上を向いたのは久々でした。

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道の途中には早くも木の実が落ちていました。森を健康な状態に保てば、自然と循環するのだなと思いました。

森がいい土をつくり、美味しい水をつくり、そこに生きるものに与えることで、木は実をつくり、動物は森を耕す。そして山の水は川から海へ。人はその恩恵を受けて生きています。こういう場所に来ると、人は自然に生かされているんだなと、改めて強く感じてしまいます。来て良かった。
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by nipponhike | 2011-09-24 22:30 | ■見学

2011年 9月23日(金) 晴れ のち 雨 ②

十和田湖近くまで移動

恐山を出発して、六ヶ所村を通り、青森県の中央にある十和田湖の少し西にある「虹の湖」まで移動しました。

六ヶ所村に行く途中にも、建設中の原発やPRセンターなどがありました。電力施設を建てるだけ電力会社にお金が入る仕組みを聞いたこともあって、PRセンターには入る気も起きず、六ヶ所村も道路からは何も見えなかったので、ただ通過しただけになりました。

「わいどの木」の村口社長がこう言ってました。「原発を建てるということは、その周辺地域の人間は国が必要ないと判断したということ。ここも、あそこもそう。」とても胸が痛くなる言葉でした。

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虹の湖近くのコンビニで、軽のバンで来たおじさんにリンゴを3つもいただきました。ありがとうございます。いい人が居るところに、原発は建てられてしまうようにも思えてきて悲しいです。
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by nipponhike | 2011-09-24 19:33 | ■日記

2011年 9月23日(金) 晴れ のち 雨 ①

霊場恐山

わいどの木の社長とお別れの挨拶をして、先輩おすすめの「恐山」に向かいます。恐山は日本三大霊場のひとつ、「イタコの口寄せ」でも有名な場所です。

恐山に向かう途中には、始めはヒバの群生林があり、峠道を登って行くとブナの群生を見ながらの道のりを楽しめます。標高が上がると13℃くらいになり、本州も寒くなってきたようです。

ほとんど知識も無いまま訪れた恐山ですが、それでも充分にここの特別な世界観を感じる事が出来ました。
変色した岩肌が露出し、そこから硫黄の匂いと共に火山ガスが立ち込める一帯を地獄とし、水が透き通った白い砂浜の一帯を極楽となぞらえたこの場所は、今まで見た事のない光景でした。

宗教的な世界が現実の目の前に拡がっている、霊場恐山。こんな特別な場所は他に無いのではと思います。

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ここには硫黄の天然温泉もありましたが、雨が降りそうだったこともあって入りませんでした。山に囲まれたこの一帯は、そろそろ訪れる秋の紅葉も見事なのではないでしょうか。
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by nipponhike | 2011-09-24 05:05 | ■日記

2011年 9月22日(木) 晴れ のち 雨

青森県下北郡風間浦村大字易国間字大川目6-7:わいどの木

何とか大間行きのフェリーに乗ることが出来たので、「青森ヒバ」を専門的に扱う木工房「わいどの木」にお邪魔しました。そして、気が付いたら従業員の方と一緒に、作業している自分がいました。

台風15号は夜中のうちに北海道を通過したようで、3時に目が覚めた時には雨も風も止んでいました。フェリーを調べると青森行きが欠航になり、大間行きの9:30発が出航可能となっていたので、4時頃に函館へ出発しました。

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大間フェリーから20分ほどにある、青森の木材として有名な「青森ヒバ」の製材・加工・商品開発を行っている工房「わいどの木」を訪ねます。こちらを経営している村口社長は気さくであったかい方で、工場や保管庫など案内していただきました。

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お店や工場、保管庫はヒバのいい香りでいっぱいです。ヒバには「ヒノキチオール」という成分が多く含まれていて、ヒノキのようないい香りがします。
青森ヒバは、抗菌、防虫、湿気にとても強い特性を持ち、薬剤注入などしなくてもシロアリやダニ、腐りに無縁で、人体には無害。神社仏閣の土台などにも使われるような優れた木材です。
「こんなに優れた木なのに、ハウスメーカーは曲がる、高いといって使いたがらない。木の特性を理解して適材適所に使う目を持っている大工は殆んど居なくなってしまった。」と社長は嘆いていました。

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工房を見ていると「おい、遊んでいけ。」と言われて、板と電動糸ノコを使わせてくれました。久々の工作にワクワクしながら、板を適当に切って紙やすりで仕上げました。楽しい。
そしたらまた社長がやって来て、「泊まってっていいから手伝ってくれ。」と言われて、風呂椅子の仕上げをやることになりました。ダボを打ち込み、それをノコギリで切り落とし、出た部分を紙やすりで平らにします。最後は椅子全体の辺を紙やすりで仕上げて出来上がり。やっぱり楽しいです。

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「おい、丸太が届いたから見てこい。」と言われたので外に出てみると、立派なヒバの丸太がトラックで運ばれて来たところでした。
青森のヒバ林は殆んどが「国有林」なため、買い付けは「競り」になり、その関係で木材価格が高くなってしまう悩みもあるようです。わいどの木では自社で製材・加工する事で、ヒバ材や商品の価格の上昇を抑えて販売しています。
国有林。聞こえはいいけど現場の人に言わせれば、山にとっても人にとっても、もっといいやり方があると社長は言っていました。

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わいどの木では、ヒバ材で建てられた素泊まり宿もやっていて、中の備品もヒバの手づくりでした。いつでも深呼吸がしたくなる気持ちの良い部屋に驚きましたが、より驚いたのは「総ヒバ風呂」です。
つくられて10年も経つというのに、お風呂はヒバのいい香りでいっぱいです。足を伸ばせるヒバの浴槽はとても気持ちが良かったです。

夕飯もご馳走になり、その時に山のことや動物のことについても聞くことが出来ました。
「動物は獲って食べるものだ。」と社長は言っていました。「日本人はもともと狩猟民族。昔は犬やスズメも食べていた。ニホンオオカミが絶滅して、生態系が崩れてしまい、クマも増えている。動物に対して可哀想とかいうのは変だ。」
子どもの時から、山と共に暮らしてきた人の言葉は胸に響きます。

「山や海から食べ物を戴いて生きて来たのに、今は原発などで自然を汚してしまって、どうしようも無い。」大間には原発が建設中です。最近は「自然環境」というものを、より視野を拡げて考える事も必要だなと思っています。そして、「食」を通して伝えられる事は多いなと改めて感じました。
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by nipponhike | 2011-09-23 12:19 | ■見学

2011年 9月21日(水) くもり

洞爺湖まで来ました。

またさん一家に別れを告げて、函館方面へ向かいます。今日は札幌を通って洞爺湖まで移動しました。

台風15号が本州に停滞している影響で、函館~大間のフェリーが欠航になっています。青森行きはまだ運航しているようです。大間に行く予定でしたが、しばらく雨も続きそうなので、明日の状況によっては変更することになりそうです。

それにしても今年は災害や異常気象が多いです。東北の被害が癒えないうちに近畿、東海地方での水害も重なってしまい、悲しいムードにならないように願いたいです。

十津川村の映像を見た時、人工林が崩れている部分も何ヶ所かあるのが分かりました。あれが健康な山だったら、もう少し被害が小さかったかもしれません。水害での報道の際、人工林の話が出てこないことに疑問を持ち始めています。

そして、本州では去年のように猛暑が続いていますが、その影響で森での秋の実りが凶作になる可能性が高くなっていると思うので、それも心配です。

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今日の夕焼け。明日からしばらく雨なので、がんばります。
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by nipponhike | 2011-09-21 20:00 | ■日記

2011年 9月20日(火) 晴れ

トタンが張り終わりました

今日が大工の最終日。残りのトタンを張っていく作業ですが、時間にも余裕があったので焦らず出来ました。

手伝ったのはほんの少しですが、この屋根が何十年もここに残ると思ったら嬉しくなりました。やっぱりものづくりは楽しいですね。

今日の夜、手伝いの代金として2万円もいただきました。何だか申し訳なく思いましたが、大切に使わせていただくことにしました。
いろいろとお世話になりました。また遊びに来ます。

明日から一気に函館に向かいます。

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作業途中の屋根。今日は晴れたので、気持ち良く作業が出来ました。
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by nipponhike | 2011-09-20 22:35 | ■日記

2011年 9月19日(月) くもり

富良野に戻ってきました。

朝8時に富良野のまたさんの家に戻ってきました。今日と明日は大工のお手伝いをします。

屋根のもう片方にトタンを張れば大きな作業は終わります。ひとつ5mもあるトタンを屋根まで持ち上げて、「傘釘(かさくぎ)」という釘でどんどん打ち付けていきます。釘打ちも少し慣れてきました。

昼過ぎの休憩には、現場から近い「たまごカフェ」という人気のお店で一服しています。ここのオーナーがヤギ小屋の依頼主です。たまごカフェはまたさんが建てました。

夕飯には「おでんカフェ」。その後に駅前の人気なカフェに家族で行って、ご馳走してもらいました。この2軒もまたさんが建てたお店です。そして最近はご馳走してもらってばかりです。

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作業場の前に、現在のヤギ小屋があります。完成を待っているんだか待っていないんだか。2匹揃ってポーズを決めてくれました。
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by nipponhike | 2011-09-20 12:29 | ■日記

2011年 9月18日(日) 雨

パンカフェ構想。新しい展開

音威子府で一泊して、お昼頃に工藤さんの家に帰ってきました。そして、パンカフェ構想に驚くべき、新しい展開があったのです。

工藤さんは旭川の中心部より少し離れた山の麓に10年前から住んでいます。そして、その山と周りの広い敷地も所有地になっているのですが、工藤さんはここを利用したある構想を考えています。

今は詳しい内容を言うことが出来ませんが、その構想にはカフェが必要ということで、僕が修行を終えたらここでパンカフェをやってみないかとお誘いがあったのです。

何ということでしょう。

まだパンなど焼いたこともなく、調理師免許も持ってない突然現れたこの僕に、数年後の構想の一部であるカフェを僕の考えているコンセプトで任せてくれるというのです。

さらに、工藤さんの山は天然のカタクリや森林が群生している、市の指定保護区域でもあるのですが、そこを管理しているのが森林の再生や情報発信を行っているNPO法人「もりねっと」なんです。もりねっとの代表である陣内(じんのうち)さんとは下川町のチェーンソーアートで挨拶して、先日は「薪割り交流会」にも参加しました。
森林や動物について考えていきたいパン屋の裏には、森林再生のプロが管理している山があるという状況に、様々な可能性を感じないわけにはいきません。

石窯とカマドを使い、熱源を全て薪にしたパンと料理の提供をしながら、人と森を近づけるようなパンカフェの考えに、とても魅力を感じてくれました。工藤さんはもともと石窯で焼き物をしていたので、耐熱レンガが大量にあります。敷地内なので場所代もかかりません。食器類は工藤さんがつくってくれます。ベースになる建物もあるので、初期投資を殆どかけずに始めることが出来そうなのです。

何ということでしょう。

工藤さんの「構想」については、時期が来たらお知らせしようと思います。まだ具体的に決定した訳ではないですが、まずは一番大切な美味しいパンや料理がつくれるように頑張りたいと思います。

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by nipponhike | 2011-09-19 23:51 | ■日記