ヒトリダチ

カテゴリ:■見学( 95 )

2012年 9月6日(木) 晴れ ①

奈良県吉野町に行ってきました。

ルヴァンは9月5日から11日まで夏休みです。この休みを利用して、奈良県で有名な吉野杉や吉野檜に関わっている方々のお話を伺いに行ってきました。

奈良県の中心部に位置する吉野町周辺では、木目がとても細かく均一で、節が少なく香りの良い「吉野杉」や、「吉野檜」が有名です。
今回は、これらの山の管理や木の製材、商品開発や販売などを行っている吉野町の製材所や製箸所の見学、林業家の方にお話を伺うことが出来ました。

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吉野町には製材所や木工所、製箸所などが集まっています。製材所と言っても、杉を切るところと檜を切るところ、板を切り出すところと柱を切り出すところ、銘木を切るところなど、それぞれが専門の製材所に別れていると聞いて、規模の大きさに驚きました。

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これは吉野杉の板。木目が細かく均一、色も綺麗で、最上級のものだそうです。
むかし、吉野杉はお酒や醤油・味噌などの醸造品の「樽・桶」として使われていました。特に日本酒を扱う際、他の地域の杉に比べて色や香りが移りにくく、目が詰まった木材は水にも強い特性があったため、大変重宝されたそうです。現在ではステンレスや琺瑯の容器に変わってしまったために、樽材としてはほとんど使われていないようですが、最近では60年ぶりに吉野杉の木桶で吉野の日本酒をつくり、イベントなども行っているようです。

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これは製材所で使われている大きな電動ノコギリの刃。この部屋には刃を研ぎ直す設備があり、大きな刃がいくつも保管されていました。

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山で伐って運ばれた木は製材所で柱や板になり、その時に出る端材は製箸所で割箸になります。その割箸づくりで出る木の端も、乾燥工程のボイラーの燃料として使われます。この吉野町では、木材は余すところなく使い切る仕組みが出来ていました。

この他に木材加工所の方や林業家の方にもお話を聞くことが出来ました。30代の若い方が多く、ペレットストーブの推進やインテリア木材の特殊加工、杉と檜のiphoneカバーなど、吉野の木を通してこの地域全体を盛り上げていくエネルギーが伝わってきました。

今回は、吉野材の商品開発や企画を行っている磯崎さんに、半日かけて吉野の木に関わる方たちの現場を案内していただきました。また、吉野が歌舞伎の舞台になっている「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」についてなど話してくださり、歴史と文化と産業が深く関わる吉野の魅力を教えていただきました。お忙しいところ、ありがとうございました。
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by nipponhike | 2012-09-12 03:12 | ■見学

2012年 6月27日(水) 晴れ

久々に杉の情報

今日は久しぶりに杉に関することを調べていたら、とても魅力的なものを見つけました。

「日本全国スギダラケ倶楽部」という集まりがあります。
みんなから邪険にされているスギを、それに携わる生産者や加工、デザインや流通、販売なども含めて見直し、スギを積極的に使っていこうと試みている人たちの集まりです。森林組合や木工房、デザイナーなどが質の高いものづくりを行っています。

そんなスギダラ倶楽部が、日本最大の杉ネットショップ「杉屋」を始めました。現在は、去年僕が立ち寄った宮崎県の南那珂(みなみなか)森林組合が立ち上げた「Obisugi design」を中心としたスギ製品が扱われています。ただのアイディアで終わらず、木の製品としての質とデザインの質の両方が備わったモノが多くて驚いています。

ちなみに、飫肥杉(おびすぎ)は他の杉に比べて油分を多く含むため、湿気や曲げに強い粘りのある木です。そして木目も綺麗。

興味ある方は見てください。
https://sugi-ya.jp/main/

そしてもう一つ。
昨年の3.11で被災した東北地方は、森林資源の豊富な地域でもあります。そこで、東北地方の木材や震災で被害にあった木を活かして、雇用の拡大にも繋げていこうという「復興支援 東北材デザインコンペ」が行われています。
デザインコンペとは、個人や企業からデザインのアイディアを募集して、優秀なものは製品化されるような面白い企画です。

応募期間は7月31日必着です。
http://www.kizbiz.org/design/index.htm

最近聞いた話では、四国の林業が活発になってきているなどの話も聞いています。
日本の杉も面白いことになってきた。

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写真は、今日歩道で見つけた綺麗な花です。
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by nipponhike | 2012-06-27 21:34 | ■見学

2011年 11月26日(土) 晴れ

NPO法人ベルデ:杜の見学会

今年の5月。日本の森林を知るための旅に出て、出発した初日に東京都青梅市に行きました。

山や森の多い青梅。そこには人工林の間伐材を利用した薪窯パンを焼いている、「木の葉パン」というお店があると友人から教えてもらっていたので、立ち寄ってみました。
ここは、間伐材でパンが焼けることを初めて知り、後にパン屋を目指すきっかけになった場所です。

「木の葉パン」では、お店の背後にある広い森林から伐った間伐材を利用しています。その森林「青梅の杜」を管理しているのが「多摩農林」という森林組合と「NPO法人ベルデ」という非営利団体です。

そして今回、ベルデが管理・利用している森の見学会があると友人が教えてくれたので、一緒に見学へ行くことになりました。

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およそ360haが管理されている青梅の杜は、奥多摩の山々へ繋がる入口のような位置にあります。
この山では石灰岩が多く採れる場所もあり、昔は麓に石灰を採種するような工場が建っていた時もあるようです。

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尾根まで登っていくと、ナラの群生に出会えました。こんなにナラがたくさんある場所に来るのは初めてだったので、少し感動しました。山形や長野では海外からの害虫による「ナラ枯れ」問題が深刻ですが、こちらでは健康的に秋を迎えているようでした。

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尾根を降りた所には、多くの薪が均等な長さで保管されていました。なんとこれが「木の葉パン」で使われる燃料でした。5月に食べたパンの薪がこの森の恵みであることを改めて実感出来てうれしく思いました。全ては山や海の恵みで成り立っているということを森やパンが気付かせてくれます。

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写真のモミジは、過去に500本の広葉樹や照葉樹を植林した時のものです。
日本の森は基本的に山なので、急な斜面で行う間伐や植林は想像するだけで大変な作業ですが、この地道なことが森の再生に繋がってます。継続的に、コツコツと。

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青梅の杜は、東京都では初めて「FSC・COC森林認証」という、森林管理・木材の加工や流通に関して、国際的な協議会において認められた森です。消費社会の中心ともいえるような東京で、このような森林があることは、とても大きい意味があると思います。
ベルデでは昨年、名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)という場にも参加して、青梅の杜の生物多様性の復元や維持活動の報告をするなど、積極的な取り組みを行っています。

このような人たちの活動や森林の現状と、日常生活の中で森を感じる機会が少ない人たちを、自分なりのパンカフェで繋げていけたらと考えています。
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by nipponhike | 2011-12-05 20:20 | ■見学

2011年 10月16日(日) 晴れ

静岡県浜松市西区古人見町1475-1:薪石窯パン シェーブル

浜松で美味しいと評判の石窯パン屋があります。ここは京都や長野のパン屋さんも知っていたところで、今回行くと決めていました。

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浜松にある大きな湖の浜名湖近く、住宅街の中にある赤い屋根の小さなパン屋。ドアだけが白いのも可愛らしい。駐車場は朝からいっぱいでした。

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「ベーコン&チーズ 290円」「マロンデニッシュ 220円」「カンパーニュ 350円」「ライ麦ぱん 380円」。どれももちもちで、温め直さなくても美味しく、酸味の少ないライ麦パンはいろんな料理に合いそうです。マロンデニッシュは程よい甘さで、季節の素材を使ったパンは魅力的です。
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by nipponhike | 2011-10-17 23:58 | ■見学

2011年 10月1日(土) くもり ②

長野県環境保全研究所:「環境保全に取り組む市民大集合 2011」

仕込みから焼き上がりまで見学した後は、お昼から出張販売の手伝いです。お店から車で5分ほどのところに環境保全研究所があり、そこで行われるイベントに集まった人たちにパンやサンドイッチを販売します。お店以外での販売は初めてだそうです。

パンを並べ始めたとたんにお客さんが集まってきて、準備をしながらの慌ただしい販売が始まりました。パンやサンドイッチはあっという間に売れて、1時間も経たないうちに出張販売は終わりました。

片付けを済ませると、午後の講演会が始まるという放送が入ったので、ちょうど見に行くことが出来ました。

今回のテーマは「環境保全に取り組む市民大集合」ということで、長野県内で活動しているNPOやボランティアの方たちが、普段どのような活動をして、自然界ではどんな問題が起こっているのかを発表するものでした。特別講演として、千葉大学の教授も来ています。

講演、発表の内容は
・里山の大切さや、保全に関わる市民の取り組み。
・外来種であるアライグマに関する調査方法と結果報告。
・タカやワシなどの猛禽類から見た里山の重要性。
・中学生による、ダム開発跡地の調査発表。
・ボランティアである長野県自然保護レンジャーの活動内容の説明。

これらの詳細は省きますが、自然環境に対して様々な活動を行っている人たちが、長野県をはじめ全国に居ることを改めて感じると同時に、この方達の努力がもっと一般の人たちに伝えられる術はないか、最近はそんなことも良く考えます。

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by nipponhike | 2011-10-03 05:18 | ■見学

2011年 10月1日(土) くもり ①

石窯パンの仕込み

朝5:30に起きて、朝食をいただき6:30にお店に到着。今日の午前中は仕込みの見学をさせていただきました。

麦星では、有機農法による県内産小麦やライ麦をはじめ、塩や生地に混ぜる食材にとてもこだわり、オーストリア チロルで修得した食事パンをつくっています。

お湯を沸かしつつ室内温度を上げながら、材料の計量を行ないます。それから窯の火入れです。現在はナラの間伐材を使っていて、NPOからの仕入れを始めたばかりだそうです。

火入れの間に、生地をつくり成形します。ライ麦が入っている少し黒い生地を、均等な大きさに分けてから行うのですが、なんと両手で一つずつ、一度に2つの生地を成形する技に驚きました。パン焼きをひとりでやる場合、これが出来ないと数がつくれないそうです。

現在パンは8種類。それぞれの生地を型に乗せ、焼く準備が出来てきます。窯も2回目の火入れを終えて、残った灰や炭を窯から出します。石窯はその余熱でパンを焼き、遠赤外線がパンの内側からふっくら焼いてくれるのです。

窯の温度の様子を見ながらパンを入れていくのですが、当然温度は少しづつ下がっていきます。その時の温度に適したパンを、発酵を合わせて焼くので、今までの作業は全て窯に合わせて進めているという職人技です。

電気窯が30~40分のところを、石窯パンは10~15分で焼き上がります。香ばしい匂いがして、ふっくら焼けた大きなパンが窯から出てきます。自然の力でパンを焼く技は、素晴らしいです。

朝の6:30からお昼近くまで、ほとんど休憩はありません。その後販売をやるとなると、休める時間はないでしょう。パン屋は凄く大変な仕事です。その分、お客さんから「おいしい」という言葉を聞いた時、これ以上の至福はないと麦星の寛さんは言っていました。

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by nipponhike | 2011-10-02 18:03 | ■見学

2011年 9月30日(金) くもり のち 雨 ①

秋山郷へ

新潟から長野へ入る際、山奥の秘境と言われている「秋山郷(あきやまごう)」に向かいました。

大きな壁のような山々に挟まれた道を、奥へ奥へ進んで行くと秋山郷に辿り着きます。ここには阿仁マタギが来た話を聞いたのと、中学の時に「自然教室」という宿泊授業で一度だけ来たことがある懐かしい場所でもあったので、立ち寄ることにしました。

道の途中。山の木がポツポツ枯れていることに気が付きます。ナラの木が枯れているのです。先日、小国町で聞いた「ナラ枯れ」がここでも起こっていることに不安になってきました。

「秋山郷民族資料館」という、宿を経営している個人の夫婦でつくった資料館があるので、そこに行きました。昔は、冬になれば陸の孤島と言われたこの地域での厳しい暮らしを、当時の生活用品などを展示しながら伝えていき、残していく資料館でした。少しですが、クマ狩りの写真などもパネルにまとめられていました。

ここのご主人に、ナラ枯れについて聞いてみたら、現状が分かりました。原因の虫は外来種で、4~5年前から森のナラが次々に枯れるようになったそうです。以前「森の使い」と言いましたが、外来種では話が違ってきます。

海側の森林から徐々に枯れ始め、秋山郷にも近づいています。薬での保護対策があるらしいのですが、ナラの木1本につき7000~8000円もかかるので、早急にやっていくのも難しいそうです。

世界でも有数の、自然の豊かな国とされている日本ですが、様々な問題があることがわかってきました。なんとかしたいです。

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by nipponhike | 2011-10-02 08:58 | ■見学

2011年 9月29日(木) 晴れ ②

新潟県長岡市古正寺町3丁目25番地:小麦工房 ブルックリン

長岡ラーメン「いち井」の市井さんに教えてもらった人気のパン屋、「ブルックリン」にやってきました。市井さんも月に2回くらい買いに来ているそうです。

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目の前には大きな公園があり、雰囲気の良い場所にお店はありました。お昼時に行ったこともあって、15台ほどの駐車場は車で埋まっていました。

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「栗パン 115円」「古正寺メロン 80円」「ミニクロワッサン 30円×2」「くるみパン 110円」「メープルフレンチ 130円」。こんなに買いやすい値段で美味しいと、何回も来たくなる気持ちが分かります。このお店は「メープル」という、パン生地にメープルシロップを練りこんで筒状に焼き上げたパンが人気のようで、予約の札が付いたものもありました。

「ここでしか食べられない」「ここに来れば食べられる」というお店の顔になるようなものがあると強いですね。
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by nipponhike | 2011-09-29 20:09 | ■見学

2011年 9月28日(水) 晴れ ②

館長とのお話

しばらくビデオを見ていると、館長さんが帰ってきました。稲刈りは昨日終わったそうです。館長さんはマタギのシカリ(リーダー)を務めていましたが、最近現役を引退されました。

小玉川地区には現役のマタギが15人。その中の若い人の30~40代が3分の1で、マタギの文化が根強く残っています。その理由のひとつに、早い時期にあった開発のおかげがあったそうです。

時代と共にマタギでの生活はより厳しいものになっていきましたが、その頃の小国町の近くには鉱山があり、銅や石膏が取れたそうです。そして昭和の始めに、小玉川に水力発電所が建設され、そのため軍事部品の製造工場やセラミックス工場が近くに出来たのです。

道路が整備され、電気が通り、大勢の人が出入りすることで、発電所や宿場の雇用ができました。マタギと農業と仕事という3足のワラジを履くことで、マタギを続けることができたそうです。開発によって消えてしまう文化が多い中、日本に数少ないマタギの里がそのようなかたちで残れたことにとても驚きました。

もうひとつ興味深い話が。この地域の人たちに山での狩猟方法を教えてくれたのは、あの秋田の「阿仁マタギ」なんだそうです。その昔、彼らがここに来た時に狩猟の術や山への信仰を伝え、今もその教えが残っていると聞いた時、感動しました。

先日訪れた「阿仁マタギ」に再び出会えたような気持ちと、彼らが狩りをしながら旅を続け、遠方の土地に伝え歩いていたことの驚きで、胸が熱くなりました。
この離れた土地で、マタギ言葉や作法に多少の違いはあるけれど、山への信仰や考え方も共通しているのはなぜだろうと思っていた疑問が解けました。

先輩には、秋田からより遠い「秋山郷」にも阿仁マタギは来ていたと教えてくれました。マタギの中でも阿仁のマタギは特別な存在なのかもしれません。

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昔のマタギ、現代のマタギ、小国町の現状を通して自然との共存についてまとめられた本があったので買いました。この本には僕が今後考えて行くためのヒントが沢山載っています。
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by nipponhike | 2011-09-29 08:15 | ■見学

2011年 9月28日(水) 晴れ ①

マタギの館でのお話

今日は再び「マタギの館」にお邪魔して、テレビ放映されたビデオを見せてもらいました。

マタギの館には食事処もあり、館長と調理のおばさんの2人で運営されているようです。館長はまだ留守ということで、おばさんとお茶をいただきながらビデオを見ていました。

おばさんは小国町の産まれで、山やマタギの話をしてくれました。昔は「マタギ」という呼び方はなく、みんな「山衆(やましゅう)」と言っていたそうです。「ここの人たちにとって狩りは生活そのものだから、海に漁師が出るのと一緒。特別な事だとは思ってなかったよ。」と聞いて確かにそうだよなと、言われて気付きました。

里に動物が降りてくるようになったのは30年くらい前からで、それまでは見かける事も珍しかったとか。最近は、秋の収穫期になると猿が農作物を食べてしまうのが問題ですが、毎日里に降りてくるのではなく、トウモロコシやサツマイモがちゃんと育った収穫直前に来るそうです。「そろそろ収穫だねえ。」など話していると、「ダメダメ。猿に聞こえるよ。」という会話があるくらい、いい時に猿は農作物を食べて帰って行く。人間より賢い。おばさんは言っていました。

去年は全国でクマの出没が多かったのですが、小国町も例外ではなく、怖くて山菜採りに行く人はほとんど居なかったと聞きました。「動物愛護の人たちは殺しちゃダメと言うけれど、仕方がない時もある。ここに住む人間の生活も考えて欲しい。」
自然の保護、共存という考え方に、いろんな所でズレが生じていることを感じました。

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by nipponhike | 2011-09-29 07:40 | ■見学